いよいよリオ・オリンピックも一ヶ月余りと迫りました。各国の代表選手もオリンピックの表彰台に上がることをイメージして準備に余念がないと思います。
その表彰台に勝者が上がった時、彼ら、彼女らを称える曲として国家が流されます。今回は日本のライバルとなる6つ国の国歌を歌詞(1番のみ)・演奏で比較しどこの国が強そうな国歌を採用しているか独断と偏見で順位を付けてみたいと思います。
※演奏に関しては一部のデバイスでは聴けない場合があります。
アメリカ
1814年9月に当時35歳の詩人・弁護士のフランシス・スコット・キーによって米英戦争(1812年~1814)の経験を元にから書かれた詩。
歌詞
おお、見ゆるや 夜明けの淡き光を受け(おお、言ってくれ、あの旗をまだ見ることが出来ると)
先の夕暮れ 陽が落ちる時 我等が歓呼したもの
其は太き縞と輝く星条旗を我々は目にした 危き戦の間
城壁の上に見た 勇壮に翻りし 彼の旗/
狼煙の赤き炎立ち 砲音宙に轟く中
耐え抜き 旗は尚其処にあり
おお、星散りばめたる旗は 今猶棚引くか
自由なる大地 勇者の故郷に
元がアメリカ勝利の喜びの詩ですのでその感情と情景がもろに表されています。オリンピックでは打って付けの歌です。国旗もイメージできるので士気は高まります。
演奏
冒頭から印象に残る曲です。まさに勝利の曲のように思えます。
中国
1935年に作られた抗日プロパガンダ映画「風雲児女」の主題歌「義勇軍進行曲」。日中戦争時の抗日歌曲として広く浸透した歌。
歌詞
起て!奴隷となることを望まぬ人びとよ!
我らが血肉で築こう新たな長城を!
中華民族に最大の危機せまる、
一人ひとりが最後の雄叫びをあげる時だ。
起て!起て!起て!
我々すべてが心を一つにして、
敵の砲火をついて進め!
敵の砲火をついて進め!
進め!進め!進め!
元は抗日の歌のようです。詩の中には抗日を意味する言葉はないのですが侵略に対して立ち向かう様子がうたわれています。こちらも国家間の戦いで士気が上がりそうです。歌の歴史を知っている人は日本に対しては負けたくないと思うのでしょう。
演奏
「進め!進め!進め!」とあるように、これから戦いに向かう勇ましい行進をイメージしますが、少し軽い感じも受けます。
ロシア
ソビエト連邦国歌であった「祖国は我らのために」の歌詞を変えて2001年に制定された。法律によりテレビ、ラジオなどの放送では1日に二度(放送開始時と終了時、もしくは午前0時と午前6時)、国歌を流すことが義務付けられている。
歌詞
ロシア、聖なる我らの国よ
ロシア、愛しき我らの国よ
力強き意思は、大いなる光栄は
汝が持てる物は世々にあり!コーラス
讃えられて在れ、自由なる我らが祖国よ
幾世の兄弟なる民族の結束よ
父祖より授かった民族の英知よ!
国よ讃えられて在れ!我等汝を誇らん!
ロシアの国歌は国家間の争いではなく国と民族の誇りをうたったものです。アメリカ、中国と比較すると気高い感じがします。最初から国歌として作っているからなのでしょう。
演奏
まるで映画のクライマックスを飾るかのような壮大さを感じます。戦いの終わりにふさわしい感じです。
イギリス
イギリスには正式に定められた国歌はないのですが、「女王陛下万歳」が歌われてるます。在位が女王か国王での歌詞QueenをKingにherをhimに使い分けるようです。便利な国歌ですね。
歌詞
おお神よ我らが慈悲深き女王(国王)を守りたまへ
我らが気高き女王(国王)よとこしへにあれ、
神よ女王(国王)を守りたまへ:
君に勝利を
幸福を栄光をたまはせ
御世の長からむことを:
神よ女王(国王)を守りたまへ
君主制の国の国歌です。「君に勝利を」(英文では Send her victorious)のところは勝利に対する思いを誓うことですので士気が高まります。日本では天皇制に対しての反対意見もありますがイギリスではどうなんでしょうか?
演奏
歌詞の内容とはイメージが違っていて心を鎮まるような感じがします。国王、女王への敬意を表しているようです。
フランス
フランス革命(市民革命)のときの革命歌で、マルセイユの連盟兵(義勇兵)が歌って広めたことからこの名前がある。
歌詞
行こう 祖国の子らよ
栄光の日が来た!
我らに向かって 暴君の
血まみれの旗が 掲げられた
血まみれの旗が 掲げられた
聞こえるか 戦場の
残忍な敵兵の咆哮を?
奴らは我らの元に来て
我らの子と妻の 喉を掻き切る!武器を取れ 市民らよ
隊列を組め
進もう 進もう!
汚れた血が
我らの畑の畝を満たすまで!
戦いの残虐さがそのまま歌われています。 命を懸けて人権を勝ち取ろうとした戦歌です。
演奏
ビートルズの「愛こそはすべて」(All You Need Is Love)で日本でもなじみのある冒頭です。歌詞の内容とは裏腹に軽快なテンポで曲が流れていきます。
韓国
日本による統治から解放されてから(1945年8月15日)3年経過した1948年に定められた「愛国歌」。ロシア同様、各放送局ではその日の放送開始・終了時に流される。作曲者の安(安益泰 - Wikipedia)は親日派だったようです。
歌詞
東海が乾き果て、白頭山が磨り減る時まで(=永遠にありえないことのたとえ)
神のお護りくださる我が国、万歳(=万年永久に)
コーラス
無窮花(=韓国の国花)、三千里(3,000朝鮮里=朝鮮半島の北から南までの長さ=韓国全土という意味)、華麗な山河、
大韓びと(韓国人)よ、大韓をとわに保全せよ(韓国を永遠に守ろう)。
「大韓をとわに保全せよ」は他国との争いを感じさせますうがそれほど強い表現でもなくロシア同様に国家と国民の誇りをうたったものになってます。
演奏
日本
皆さんご存知の「君が代」。歌詞は10世紀初めの『古今和歌集』の「祝福を受ける人の寿命」を歌う短歌を元にしている。曲は1880年(明治13年)に付けられ1999年(平成11年)に「国旗及び国歌に関する法律」で正式に国歌として法制化された「天皇の治世」を奉祝する歌である。
歌詞
君が代は
千代に八千代に
さざれ石の
いわおとなりて
こけのむすまで
古い和歌をもとにしているので日本国民であってもはっきりとした意味を理解している人は少ないと思います。天皇統治国が永遠に続くことを歌ってます。君主制ということではイギリスに近いものがあるのですが「君」としているところで曖昧な表現になっています。重厚な低温で迫力がありますが士気を高める歌としては他国比べ劣ります。
演奏
重厚感があり腹の底から湧き上がるパワーが感じます。ちょっと不気味な感じもありますが日本らしさが盛り込まれています。
強そうな順位
歌詞
No1 フランス
No2 中国
No3 アメリカ
No4 ロシア
No5 イギリス
No6 韓国
No7 日本
1位フランスです。生生しい歌詞は相手もおびえることでしょう。
2位は中国です。フランス同様に戦争をイメージしてしましますが今から戦いに向かう強い意志を感じます。
3位アメリカも中国と同様に戦争をイメージしていますが勇ましい気持ちが伝わります。
4位ロシアその高尚な国家の誇りが強さに繋がり気がします。
5位はイギリスで女王陛下を守るために勝利を誓う強い気持ちが出ています。
6位は韓国にしました。守るという印象が強かったので戦いには弱いかなと思いました。(2番が入ると違っていたかもしれません。)
7位は日本の君が代です。元が寿命への祝福の詩なので仕方ないです。
演奏
No1 アメリカ
No2 フランス
No3 ロシア
No4 イギリス
No5 日本
No6 中国
No7 韓国
1位はアメリカです。耳になじみますし士気が高まります。
2位はフランスです。アメリカと同様に冒頭から士気が高まります。
3位はロシアは歌詞同様に気高く壮大な曲が強さを感じさせます。
4位イギリスも徐々に高揚していく感じは士気を高めます。
5位は日本にしました。他の国とは違う曲調のなのですが重厚な強さを感じます。(ちょっと怖い感じ)
6位は中国です。行進曲にのようで少し軽さを感じました。
7位は韓国です。優しい感じの曲調なので最下位にしました。
最後に
最後に、今回いくつかの国歌の成り立ちを調べてみましたが他国では戦争を直接感じさせるものもあり驚きました。それに比べ日本の「君が代」は元が和歌と言うこともあり抽象的でいろんな捉え方ができ争いをイメージしていません。日本という国は国歌からして平和なんだなと感じました。
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