kousukuの日記

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映画『のんちゃんのり弁』感想 ※ネタバレあり

BSで『のんちゃんのり弁』というシングルマザーが自立を目指して生きる作品があったので観てみました。原作はアニメということで日本アニメ界の面白さを改めて感じました。

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作品情報

公開:2009年

時間:1時間47分

監督

主なキャスト

あらすじ

31歳専業主婦の小巻はだらしない亭主に愛想をつかし、娘ののんちゃんを連れて母親の暮らす京島へと出戻る。のんちゃんを幼稚園に通わせて仕事を探すが、キャリアも社会常識もない小巻は次々と面接に落ち、生活のため水商売のバイトを始めるが……。

のんちゃんのり弁 : 作品情報 - 映画.com

 

感想

正直面白かったです。旦那に見切りをつけ別居を決意したシングルマザーの心境を上手くとらえているなと思いました。女性の自立をテーマとしているのですが、自立心が強いがまだまだ甘いところがある。小巻(小西真奈美)のそういう欠点を仕事探しでの面接官や、一日だけ勤めた飲み屋の女将、居酒屋の主人の戸谷(岸部一徳)に指摘されます。小巻の旦那の範朋(岡田義徳)のダラシナイ性格は小巻にも多少は存在し、そこから脱しようとしているかいないかが二人の人生の分かれ道になっているんだと感じます。

小巻は戸谷という一人で繁盛店を営む厳しい料理人を師とします。きっと料理の味だけでなく一人でやっているところにも魅力を感じたんだと思います。

小巻は「人の倍働きます」、「責任を持ってやります」という言葉を簡単に口にしてします。その時の自分のやる気を表現する言葉なのですが、聞き入れる側にしてみれば「それは無理だろう」と思う言葉になります。(社会人の言葉というのは難しい)

戸谷は小巻の手を見て子供の手と評します。知人にお弁当をどれだけたくさん作っていた手でも仕事として責任を持って料理に接している人間からしてみれば子供と変わらない手なんです。なかなか厳しい意見ですが本心なんだと思います。小巻はそういう厳しさを求めていたのかもしれません。

戸谷の店を借りお弁当屋を始めた初日、得意である「のり弁」の海苔をチギりながら小巻は涙を流します。

何の涙だったのか?

自分が自立する第一歩を歩んだことの喜びの涙ではなく、今まで自分の取ってきた行動がいかに我がままで子供であったかをこれまでとは違うお弁当作りで感じ取ったんだと思います。

仕事には覚悟が必要です。自分を押し殺してでも人の為に働かなければなりません。今まで愛する娘や知人のために作ってきた「のり弁」とは違います。孤独かもしれませんし、時には辛い事があるかもしれませんが、その反面喜びも大きいものです。

シングルマザーという自立する道を選んだ一人の女性の揺れ動く心を見事に表した映画でした。

実は私は漫画はほとんど読みませんが、こうやって原作が漫画いう作品を観て感動する度に、漫画の素晴らしい創造性に感服します。

小西真奈美のコミカルな演技も見どころです。

予告動画

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