先日ブログで人工知能について映画を観た感想と共に何の知見もなく書いたのですが、
書店で同じような題名の書籍『人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの』がありましたのでちょっと気になったので読んでみました。
著書の松尾豊さんは東京大学で人工知能の研究をされている方ですので私なんかよりももっともっと詳しい方です。本書も大変わかりやすく書かれていて素人でも理解できる内容でした。
松尾さんのサイトはこちら → http://ymatsuo.com/japanese/
人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの (角川EPUB選書)
- 作者: 松尾豊
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/中経出版
- 発売日: 2015/03/11
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (14件) を見る
人工知能はまだ出来ていない
本書を読んでまずホットしたのは、人工知能はまだ出来ていないそうです。GoogleさんやAppleさんがどんどん我々に人工知能を感じさせるものを提供してくれたり、商品にもAI搭載などと広告していものがあるので、「自分たちの知らない世界では、もう人工知能が出来ていて有力者が利用しているんじゃないのか?」と思っていましたが、まだ出来ていないそうです。
※人工知能の定義にもよりますが、ここでは人の英知を超えたまたは同等の知能を指します。
現在のレベル
それでは、現在はどういう段階にあるのかというと第4段階だそうです。
会社で言えば部長クラス(ディープラーニング)の判断脳力がある知能の開発中だとか。
- レベル1 アルバイト
- レベル2 一般社員
- レベル3 課長
- レベル4 部長
部長以下がコンピューターになるという意味ではなく、チェック項目を発見することが出来るレベルだそうです。
仮に部長がコンピュータになったとして、それ以下が人間と言うのも嫌な世界ですね。しかも部下のミスを謝ってくれたりしたらどうなるんでしょう?
「うちの部長は、コンピューターだけど君らの部長(人間)よりも自分たちを守ってくれる。一生ついていくつもりだ。」なんて想像するのも楽しいです。
もう少し詳しく記載します。
レベル1:制御系 エアコン、洗濯機など
レベル2:古典的人工知能 レベル1よりもパターンが多い物。チェス、将棋、囲碁など
レベル3:機械学習 現在はここがほとんど、検索エンジン、ビッグデータ解析など
レベル4:ディープラーニング レベル3で使用する変数を学習する
レベル3から応用性があり利用者は何処までが人間がかかわっているのかわかりにくくなってきています。でも、まだまだ人間の知能には程遠いです。
シンギュラリティ -特異点ー
人工知能が自分よりも優れた知能を作りだしていくところを「特異点」と呼ぶらしいですが、2045年とか言っている人もいるそうです。
もし、そういう時が来たら人工知能は人間の指示にも反発するんでしょう。子供が親を超えていく時みたいに。
人工知能が人間を超えるのか
本書でも書かれていますが、人工知能が人間を支配することは夢物語だそうです。私もそう思います。人と同じ知能を持つことや感情を持つことは難しいと思います。ただ、表情の認識や生体認識のデータがどんどん解析されていけば益々人間の感情を理解して判断できるものは作られていく思います。
人工知能によってなくなる職業
実は、人工知能が人間を超える恐怖よりも自分の仕事がなくなる恐怖の方が大きいのではないでしょうか?本書で「もあと10~20年後でなくなる職業」が紹介されています。
- 電話販売員
- 不動産登記の審査・調査
- 手縫いの仕立て屋
- コンピュータを使ったデータの収集・加工・分析
- 保険業者
3以外はすべてコンピューターが代わりにやってくれるのでしょう。
これからの生活
これからコンピューターが解析能力を益々つけ、今まで人が判断していたことを代わりにやってくれます。今自分がやっている仕事の一部をやってくれるかもしれません。便利に利用していたものが利用の域を超え、全部やってくれるようになるんです。
そうなったとしても人の判断は必要になります。クレーム対応や改善に関しては人の判断が必要になるわけですから、そちらで頭を使う時間が多く取れるようになるのでしょう。そうした変化に対応する為にも、新しいコンピューター技術の導入に背を向けるのではなく前向きに楽しみながら接していくことが必要となるのでしょう。