昨日に続き憲法です。ちょうど「スピリッツ」で日本国憲法を取り上げていたので購入しました。それなりにしっかりまとめていました。参議院選の焦点が憲法改正ということもあり最近は憲法の書籍を多く購入しています。それぞれ改憲派、護憲派によった立場で書かれているものが多いので両方の意見を学んだ方がいいと思っています。
日本国憲法とはどういものなのか簡単に書きたいと思います。
日本国憲法
公布と施行
日本国憲法は敗戦後、日本軍が発したポツダム宣言を執行させるためにGHQ(連合国総司令部)の監修のもと敗戦から一年を経て公布されています。
- 終戦 昭和20年8月15日
- 公布 昭和21年11月3日
- 施行 昭和22年5月日
11月3日は文化の日、5月3日は憲法記念日と祝日になっている。8月15日は終戦記念日。
GHQの制約
日本人の草案とGHQ側の草案をもとに作成され、その後10年間は改正は認められないという条件付でした。GHQとしては帝国主義にならないよう天皇の立場、民主化、武力行使に対し指導が入っています。帝国主義の根幹だとして神道、武道の廃止の動きもありました。
日本国憲法の長さ
全文で4998語でそう長くはないです。ちなみに一番長いところはインドで14万6385語だそうです。憲法下に法律が定められるので細かく憲法で規制を設けるよりも短い方針として存在していた方がいいと思います。その方が国民も学びやすいですね。
改正の仕組み
- 両院の議員の3分の2以上の賛成
- 国民投票の過半数で決定
改正へのハードルは世界一と言っていいほど高いものとなっています。
過去改正の回数
日本国憲法は制定から70年間改正されたことがないです。前述の改正のハードルの高さも影響しています。
他の国はそれなりに改正はされています。
- アメリカ:制定1787年、改正18回
- ノルウェー:制定1814年、改正400回以上
- イタリア:制定1947年、改正20回
- ドイツ:制定1949年、改正60回
- インド:制定1949年、改正100回
国民はどう捉えているのか?
帝国主義への警めを含んだ他国と比較してハンディがある憲法ですが、国民の多くはハンディを取り除く事に対してあまり関心がないように思います。それは勝っても負けても悲劇を生む戦争に対しての懐疑的な思いがあるということと、資源の奪い合いではなく勤勉な労働力で経済の復活を目指しある程度の成功を収めたことからではないでしょうか。そして平和な世界を築こうとしている憲法を理念として捉えるようになったのではないでしょうか。人間の生活には理念は大切ですし日本人は好きだと思います。
憲法9条の問題
日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
現行憲法で一番問題になるのは、やはり9条だと思います。9条では武力行使を放棄しています。武力という言葉が攻撃と防御の両方の意味を持つものなので自衛隊の憲法上の位置付がわからないものになってます。他国が攻めてきた時の自衛隊の動きはいったいどのようなものになるのでしょうか?
世界から見ると
日本のように武力行使を放棄している国は他になく、ましてや国連憲章で集団的な武力行使が制定されているのに日本の憲法は武力行使を放棄しています。国連憲章に則っていない憲法になっています。
改憲派、護憲派の意見
改憲派、護憲派どちらも間違ってはいないのですがもそれぞれ言い分があります。
改憲派
- 日本国憲法はGHQの押し付けによるものなので、日本人の手で作り直さないといけない
- 近年の国際情勢を考慮に入れた形で改正すべき
護憲派
- 日本国憲法は日本発の民主制度で選ばれた議員が平和の願いを込めて作成したものだから安易に改正を行うものではない
- 自民党の改正草案は問題が多く決して認められるものでものではない
自民党草案に改憲したからといって戦争に結びつくものではないので、「備えあれは憂いなし」で改憲してもいいように思いますし、戦争には絶対参加してはいけないので9条には手を着けない方がいいようにも思います。どちらの選択も国民が最終判断をすることなので、それによって生じる結果も国民が負わないといけないことになります。政治家としては憲法の則って判断出来た方が動きやすいですね。
改憲には賛成ですが、戦争には参加しないという選択ができればいいのですが、国際情勢からみて難しそうですね。うーん、悩みます。
参考文献