ランサムウェアいう種のコンピューターウィルスが猛威を振るっています。最近ちょっと変わった種のウイルスが誕生しました。
ランサムウェアとは身代金要求型のウィルスのことです。コンピュータに保存されているデータを画面ロックや暗号化して利用者のアクセス権をはく奪し、身代金を要求します。
上記の「ランサムウェア国内検出台数推移(日本)」の表では今年になって急激に被害件数を増やしていることが分かります。
2016年4~6月: 8,300
2016年7~9月:34,200
コンピュータが創り出すネット社会は、コピーが簡単に出来てしまうことから、ウィルス対策を取る前にあっという間に広まってしまいます。
対策としては
- ウィルス対策ソフトを入れる
- 怪しいメールは開かない(特に添付ファイル付き)
- 大切なデータの保管をクラウドにする
などが考えられます。暗号化されているだけでデータが盗まれていなければちょっとは安心ですが、もしデータも持ち出されていたら開き直るしかないのかもしれません。ビジネス以外でも感染してしまうと大きなダメージがあることは想像出来ます。
感染した場合の復元サービスを行っている会社もあるようです。
ランサムウェアのデータ復元|株式会社リプラス 特急データ復旧ウィンゲット
そういう中、先日新たな手法で感染を拡げようとするランサムウェアのニュースが発表になりました。
「Popcorn Time」
Popcorn Timeのロック画面は、(おそらく被害者が快く思っていない)他のユーザー2人とリンクを共有するという「卑劣な手段」でファイルのロックを解除する機能も提供する。これら2人のユーザーが感染し身代金を払ったら、最初の被害者は無料の暗号解除キーを受け取ることができる。
解除して欲しかったら2人被害者を作れという本当に悪質で、「善悪の判断の踏み絵」でもさせるような仕組みです。
まぁ意図的にウィルスを送ることは犯罪ですので、共有する人はいないと思いますが...
別の記事では、以下のように犯人の主張を紹介しています。
MalwareHunterTeamのTwitterによれば、Popcorn Timeを拡散させている集団は「シリア出身のコンピュータサイエンスの学生」を名乗り、ランサムウェアを通じて集めた資金は食料や医薬品や避難所のために使うと主張。「支払いを強要して本当に申し訳ない。しかし、私たちが生き続けるにはこれしか方法がない」と記している。ただし、この主張が真実だという確証はない。
「ファイルを取り戻したければ、誰か2人を感染させろ」――ランサムウェアに新手の手口 - ITmedia エンタープライズ
「必要悪だ」を訴えていようです。これまたトンデモない話です。
IBMの記事ではランサムウェアに感染した企業は70%の割合で身代金を支払ったとあります。ビジネスにおいて大切なデータが見れなくなることは死活問題になりかねないので理解はできますが、この割合の大きさには驚いてしまいます。
IBM ニュースルーム - 2016-12-16 IBMスタディ:個人消費者よりも企業の方がランサムウェアの身代金を支払う傾向 - Japan
単なるウィルスをばら撒く時代からウィルスでの恐喝ビジネスの時代になって来たのかと思うと、何だか嫌な気持ちになりますね。
ウィルス対策ソフトの更新とメールの取り扱いにはより一層注意が必要になってきました。・