春場所の千秋楽、横綱白鵬が優勝を決めた試合でブーイングを受けました。膝を痛めている横綱日馬富士との立ち合いで左に変化し、あっけなく勝利を手にしたことに対してのものでした。
白鵬にとっては3場所優勝から離れているため絶対に勝ちたかったでしょう。絶対に優勝しなければいけないという大きなプレッシャーを感じていたはずです。
どうしても勝ちたい
でも観衆の期待するものはそうではなかった。テレビやインターネットで白鵬の横綱としての品格を問う内容のものが出回りました。
勝負には勝ったが、勝ち方が悪いということなのです。
美しい勝ち方
日本発祥の競技は勝負へのこだわり以外に心の在り方が教えの根底にあります。柔道にしてもオリンピックで絶対に金を取らなければいけない中でも「立ち技で一本を取らないといけない」という勝ち方へのこだわりを求めています。
その教えは勝った後の所作にもあります。柔道では勝った後にガッツポーズを取る選手がいますが、かつてはガッツポーズはしなかったです。勝った後までも自分の気持ちを抑えないといけない。横綱朝青龍が土俵上でガッツポーズをして問題になったこともありました。剣道ではガッツポーズをすれば一本が取り消しになります。
横綱白鵬は、優勝インタビューで観衆に変化したことを詫びました。良くなかったと感じていたのでしょう。品格のある横綱になりたいと思っているのでしょう。大変な道のりだと思いますが、まだまだ力があるので理想の形に近づいていってほしいです。
日本の美徳を発信
今世界はオリンピックを中心にいろんな競技が普及し、多くのメディアに取り上げられています。勝利の雄たけびはメディアの格好に被写体になるのでしょう。しかし、かつて日本の先人たちが高めた勝ち負けだけではない心の在り方を日本発祥の競技は守っていかないといけないのでしょう。それが、日本人が自国の誇りを保つことにつながり、世界の人たちが日本を認めてくれることになるのだと思います。