何の知識もなく書くのだが、アメリカ大統領トランプがメキシコ国境に壁を作る大統領令に署名したそうだ。
国とメキシコの国境 PHOTO: ALFREDO ESTRELLA/AFP/GETTY IMAGES
トランプ氏の出現で日本でのアメリカ大統領の報道が多くなっています。オバマ前大統領とあまりにも違う政策を打ち出して世界を騒がせていますが、世界のリーダーとしては失格でも1国のリーダーとしては当たり前のことを言っているようにも思えます。
今回はメキシコ国境の壁発言で感じた事を書きたいと思います。
メキシコ国境からの不法移民の流入に関しては映画『バベル』やハリソン・フォードが出し話題になった『正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官』でも取り上げられています。
『正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官』は随分と詳しく描写されているので興味がある方はご覧になってみて下さい。
日本では、この「メキシコに壁」に関してはどちらかというトランプ氏の破天荒な性格を我々に伝えるような報道のされ方で、この不法移民に対しての問題はあまり大きく取り上げていないような気がします。
まず日本の不法移民の状況はどうなっているんでしょう。ちょっと調べてみます。
日本の不法滞在者
人数ですが、法務省のサイトに不法残留者掲載されています。日本は島国なので基本入管を通らないと入国出来ないので不法移民と不法滞在はほぼ同じ数になるという前提です。
2001年 23万2,121人
2005年 20万7,299人
2010年 9万1,778人
2013年 6万2,009人
ここ十年で随分と減少しています。最近はATMを壊しされたとかの外国人と思われる犯罪も少なくなっているようにも思えますが、不法滞在者が減少していることも関係しているのかもしれません。
厳しい不法滞在者に対しの就労
日本では不法滞在者の就労の権利は認められていないようです。アメリカも認めてはいないのでしょうが相当緩くしているのでしょう。日本は雇い主も処罰を課せられるのでそう簡単に雇うことはできません。
法務省から喚起の資料です。
http://www.immi-moj.go.jp/seisaku/pdf/2015fuhoushurou.pdf
また日本人一人ひとりが法律を守ろうとすることもあり、こういう事はしっかりと守られ厳しさに繋がっているんだと思います。かつての5人組制度のなごりなのか周囲を監視し合うようね国民性になっている気もします。
アメリカも厳しく取り締まれば
アメリカもわざわざ壁を作らないで日本と同じように厳しく取り締まればいいようにも思いますが、生きる為に必死になっている人たちを前にするとそうもいかなくなるということなんですかね。『正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官』では捜査官の苦悩も描かれています。勝手に壁を作ってメキシコに金を払えという前に厳しくすべきだと思うのですが、やはり移民の国だからそういうのはいけない事なのかな?
その辺りは日本人の感覚と違う気がして不思議に思います。
『バベル』のイニャリトゥ監督の『BIUTIFUL ビューティフル』(Netflixあり)では、中国人不法移民者が安い賃金で働かされている様子が描かれています。雇い主も利益のためにやむを得ず雇用する様子が描かれています。
海という壁(国境)
日本は海に囲まれている島国で国境は海上にないます。ですから年間10万人もの不法入国者がメキシコからアメリカに入っているとはちょっと想像し難い現実です。ただでさえ貧しい人たちにしてみれば船を使って日本に入ることは、大きな壁だと思います。
日本人の私からしてみればトランプ大統領が言っている不法移民は許さないというのは当たり前のようにも思えます。日本が漂流して来た他国の人を受け入れることは想像もできませんし、そういう人たちと共に生活をすることは考えられない。
トランプ大統領は日本やイギリスという島国の国に注目したことがあるのではないかと思います。島国には見えない壁が存在しています。世界は壁(国境)をなくそうという流れのようですが、今まで先駆者としてきたアメリカがブレーキをかけただけで、日本やイギリスのような島国と同じようなにしたいと言っている気もします。
逆に見えない壁に守られて自然と閉鎖的になっている日本が国際社会から取り残されてしまうことの方が気になります。
ヒール扱いされがちなトランプ大統領ですが、ある意味日本人的な感覚の持ち主なのかなとちょっと違った角度でみています。